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タイタンの戦い(1981年)




DATE


Clash of the Titans/アメリカ

監督 : デズモンド・デイヴィス


<主なキャスト>


ペルセウス : ハリー・ハムリン

アンドロメダ : ジュディ・バウカリー

ゼウス : ローレンス・オリヴィエ

ヘラ : クレア・ブルーム

テティス : マギー・スミス

アモン : バージェス・メレディス

               ……etc


目次
『タイタンの戦い(1981年)』の作品解説
キーワード『ギリシア神話「英雄ペルセウスの伝説」』
『タイタンの戦い(1981年)』のストーリー
『タイタンの戦い(1981年)』の感想


【作品解説】

 日本では1981年12月に公開されたアメリカ映画。ギリシア神話の英雄ペルセウスとアンドロメダの愛と冒険を描いたファンタジー作品。2010年にリメイク作品が公開された。




【ギリシア神話「英雄ペルセウスの伝説」】

 ギリシア神話の英雄。オリンポスの最高神ゼウスとアルゴスの王女ダナエ―との子である半神。ダナエ―の父であるアルゴス王アクリシオスは、ダナエ―の子によって命を落とすという神託を恐れ、生まれたばかりのペルセウスを海に流す。セリフォス島に漂着し、母と共に安息の中たくましく成長したペルセウスだったが、ダナエ―に恋慕した領主の不興を買い、髪が蛇の醜い怪物ゴルゴンのメドゥサの首を取るように命じられる。神々より武具を賜り、メドゥサの首を取ったペルセウスは、その帰途に、神の怒りを買い生贄にされかけていたエチオピアのアンドロメダ王女を救い出す。アンドロメダと結婚したペルセウスはセリフォス島に戻ると領主たちを撃ち破り迫害されていたダナエ―を救い出した。

 その後、アルゴスへ向かったペルセウスだったが、アクリシオスは彼を恐れて逃げ出してしまう。アルゴスの王となったペルセウスだったが、ラリッサの街の競技会に参加したときに、彼が投げた円盤が不運にも老人にあたってしまい、老人は命を落とす。この老人がアクリシオスで、図らずも神託は成就することになった。意図せず祖父殺しになったことを恥じたペルセウスは従兄弟のメガパンテスと領国を交換してミデア、ティーリンス、ミュケナイの支配者となった。その死後、ペルセウスとアンドロメダは女神アテナによって天に召し上げられ、星座となり名を残した。


【ストーリー】

 アルゴス国の王の娘ダリラと天上の神ゼウスの子として生まれたペルセウスは、呪われた子として生まれてすぐにダリラともども海に捨てられるという不幸に見舞われる。しかし、ゼウスの計らいでセリボス島に流れ着いた彼は、好青年に成長する。その頃、天上では一人の男の行動がゼウスの逆鱗に触れた。女神テティスの息子、カリボス王子は傲慢な人間で、さらに月の泉の管理を怠り貴重なペガサスをたった一体にしてしまった。その報いを受け、醜い姿に変えられ、沼地に追いやられた。母親のテティスはゼウスに対する意趣返しとしてペルセウスを遠い地の王国ヤッファへと送った。ヤッファの国はカリボス王子の婚約者アンドロメダの国でテティスはこの国にも呪いをかけていた。

 ゼウスはペルセウスを救うため、アテナ、アフロディーテ、ヘラに命じて不思議な力を秘めた兜、剣、盾を贈らせる。その武具を使い、ペガサスを手に入れたペルセウスは、カリボスと戦い深手を負わせ、ヤッファの呪いを解いてアンドロメダ王女を救った。その功績によりアンドロメダ王女を妻とすることになったペルセウス。しかし、テティスはアンドロメダの母、カシオペアが神々とアンドロメダの美しさを比較したことに因縁をつけ、アンドロメダを生贄として差し出すように要求する。それを受け入れなければ、クラケンを差し向けヤッファを滅ぼすとも。ペルセウスは、アンドロメダを救うため、クラケンを倒す方法を求め地獄の魔女の所に向かう。そこでクラケンを倒すには冥界の端にある島に暮らすゴルゴン三姉妹の一人メドゥサの、見た者を石に変えてしまう頭を使うしかないのだと知る。アンドロメダ王女を救うための危険な戦いの旅がペルセウスを待っていた。


【感想】

 1981年の作品とあって怪物たちやペガサスの動きに、かなりのムラというか違和感があるのは仕方のないところ。現在のSFXを見慣れてしまうとその違和感は凄いが、20世紀の特撮映画技術を作り上げてきたと称される特撮映画監督・ストップモーション・アニメーターのレイ・ハリーハウゼン(1920年〜2013年)が本格的に関わった最後の作品になったということでも見る価値はあるだろう。ギリシア神話登場人物たちの魅力を最大限に引き出しつつ、ペルセウスとアンドロメダのラブロマンスをメインにした良質のファンタジーになっている。今の特撮・アクション超大作には辟易しているという方には意外におススメかも。